46.「出口」を失ったせどり──物販の次のステージを考える
- taniguchishoji1220
- 11月5日
- 読了時間: 4分
Ⅰ.物品販売の推移
1. 「場所」が価値を持った時代(〜2000年代前半)
かつて販売とは「物を売る場所を持つ者の特権」でした。百貨店や小売店、商店街が流通の中心にあり“仕入れて販売する”構造は
誰でも気軽にできるものではありませんでした。
この時代流通における主導権は「小売側」が握っており、やがてこのモデルをオンライン上で再現したのが、EC──
とりわけ楽天やAmazonの登場です。
2. 「仕入れ力」が価値となった時代(2000年代中盤〜2010年代)
ネット販売が一般化し、誰もが“場所”を持てるようになると、次に差別化要素となったのは「仕入れルート」です。
この時期に「せどり」「中古販売」「仕入れ販売」といった個人による転売ビジネスが確立。同時に法人セラーも増え「店舗を持たずとも売ることができる」時代が到来しました。
小売業の敷居が下がり、個人や零細事業者にも参入余地が広がりました。

3. 「経験」が価値となった時代(2013年〜2019年頃)
スマートフォンの普及により、ECの主戦場はPCからモバイルへと移行。またフリマアプリの登場で誰もが手軽に「売ってみる」経験を得られるようになりました。
これにより物販への心理的ハードルが一気に下がり、副業としての参加者も急増します。「売ること」が特別ではなく“日常の延長線上にある行為”へと変化していきました。
4. 「ブランド」と「ストーリー」が価値となる時代(2020年代〜現在)
現在のEC市場では商品が飽和し、価格比較も一瞬で行われるようになりました。結果として、価値の中心は“何を売るか”ではなく“誰が・どのように売るか”へと移行。
D2C(Direct to Consumer)やライブコマースが台頭し、「物を右から左に流す」だけのビジネスは限界を迎えつつあります。
いま求められているのは「物に意味を与え、物語を紡ぐ」プレイヤーです。

Ⅱ.現在のせどり構造が抱える限界
Amazonや楽天などのプラットフォームでは、価格差がほとんど消失し「販路」でも「仕入れ」でも差別化が難しい状況にあります。
勝負の焦点は、「顧客接点」──すなわちブランドと消費者の距離感に移りました。
多くの販売者が直面しているのは「出口の欠如」です。自社ECを運営すれば、在庫・広告・顧客対応をすべて自分で抱えねばならず、一方でプラットフォーム販売では、価格競争と広告費の高騰に苦しむことになります。
その結果「売る場所はあるのに利益の出る出口がない」という矛盾が生まれています。
Ⅲ.次に来る「出口」はどこか?──歴史から見た再集中の兆し
物販の歴史を振り返ると「誰でも売れる」→「誰も儲からない」→「差別化による再集中」というサイクルが見られます。
そして次に訪れるのは、この“再集中”のフェーズに入ると考えられます。
その方向性はおおよそ以下の3つに集約されます。
1. コミュニティ型販売──顧客を「囲う」出口
販売先ではなく、支持者との関係性そのものが出口となるモデルです。オンラインサロンや限定販売、クラウドファンディングなどがその例。ここでは「販売」よりも「信頼の維持」が中心となり、せどりは“仕入れ業”から“ファンビジネス”へと再定義されていきます。
2. OEM/ODM型──製造に回帰する出口
「他人の商品を売る」段階から、「自分の商品を作る」段階への移行です。これは小売業がSPA(製造小売業)へ転換した流れと似ています。せどり経験者が製造サイドに回り、自社ブランドを立ち上げる例が急増しています。
今後は“仲介業”が減少し、“企画業”と“製造業”の融合が進むと考えられます。
3. 現地連動型──文化圏ごとに設計する出口
海外ではKOLや現地代理店との協業が進み、「誰が販売するか」よりも「どの文化圏で、どのように販売するか」が重視されています。
単純な越境販売ではなく現地の信頼ネットワークに参加する構造が求められます。
この潮流に適応できなければ、日本発のせどりは淘汰されるでしょう。
逆に「現地に根ざした販売スキーム」を作る者が新しい“せどり2.0”の担い手となります。

Ⅳ.総括──「場所」から「関係性」へ
物販の歴史を俯瞰すると“流すだけの商売”は必ずどこかで限界に達します。
その先に残るのは「誰のために売るのか」「どのように価値を維持するのか」ということ。
次の時代の“出口”はもはや「場所」ではなく「関係性」にあります。
価格競争の先にあるのは信頼を軸とした“関係資産”の構築。それを築ける企業が次のステージでも生き残るのではないかと考えます。

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