top of page
TANNIGUCHI BLOG.png

谷口商事は日本と中国の物販を繋ぐ架け橋です

​さあ、ビジネスの場を広げましょう!

検索

48.信頼の下支えとしての商標──“売る前に整える”が再び意味を持つ時代


かつて商品が

「売れるかどうか」は市場の話であり、

「守られているかどうか」は法律の話でした。

しかし、境界が溶けた今の時代“売る”と“守る”は同じ場所に存在するようになりました。


SNSやライブコマースにより誰もが販売者になれる時代。


商品は数日で拡散し、意図せぬ経路を通じて流通していきます。そのスピードに、従来の制度や構造は追いつけなくなっているのが現状です。


ree




第一章|「誰のものか」が分からなくなる時代


前回述べたように、2010年代後半から「販売の担い手」は急増しました。メルカリやBASEをきっかけに、取引構造を持たない販売者が市場に入りメーカー・卸・個人の境界線は急速に曖昧になりました。


その裏で静かに進んでいたのが “正規ルートが見えなくなる”現象です。

・同一商品が複数の販売者により拡散される

・消費者が「どれが本物か」を判断できない

・メーカーが意図しない販売ページが増える


販売が自由化されたことで、今度は「信頼の所在」が分からなくなったのです。構造が溶けた結果、信用のラベルを貼り直す必要が出てきました。そしてその役割を果たす手段の一つが商標です。



第二章|信用の中心が「構造」から「ラベル」へ移行した


かつて信用は、商流や取引関係の積み重ねによって保証されていました。

契約書、取引年数、卸の存在──こうした「関係の積み重ね」が正規性を担保していたのです。

しかし、個人販売が一般化した今

信用の証明は“構造”ではなく“ラベル”へ移行しました。


旧来の信頼構造

現在の信頼構造

商流と契約で守られる信用

権利と表記で守られる信用

卸業者が保証する正規性

商標が保証する正規性

販売者の人格を信じる

権利者を確認する


つまり商標は、従来のような“防衛策”ではありません。消費者・販売者・プラットフォームすべてに対し、「この商品は誰が責任を持つのか」を示す唯一の装置になっているのです。



ree


第三章|“売れてから考える”では遅れる時代


多くの中小メーカーは、「商標は売れてからでも十分」と考えてきました。しかし今では、商標登録のタイミングそのものが信用形成の起点になっています。

理由は単純で販売よりも拡散が先に起こるからです。


1. SNS拡散のスピード → 発売直後に他者が紹介・販売ページを作成

2. 並行流通の増加 → 海外や個人販売者が同時に扱い始める

3. 「販売者の顔」が前に出る逆転現象 → メーカーより販売者の情報が先行する


これらが重なると、「先に名前を取った者が信頼を得る」構造が生まれます。

もはや商標は、“売れた後に守るためのもの”ではなく、売る前に信頼を設計するための仕組みとして機能しています。



第四章|模倣が生む“無形の損失”と説明責任の反転


特に中国市場では、商標を取っていない商品は“誰のものでもない扱い”を受けやすく、その結果として模倣・転売・権利主張などのトラブルが起きやすくなります。


一見すると「売れている」ように見えても、それは「話題のネタ」としての一過性にすぎず、そこに信頼は積み上がりません。

信頼は残らず、むしろ一度模倣されれば、本物側が説明責任を負う立場になるリスクをかかえます。

「うちが先に作った」と主張しても、その証明を示すには非常に多くの時間と労力が伴います。その時信頼の所在を証明してくれるのが商標です。




ree




第五章|商標を整えるとは、「正規ルートを可視化する」こと


商標登録とは、法律上の防衛行為ではありません。「流通の起点を社会に示す」行為です。


境界が溶けた社会において、「どこが正規か」「誰が責任者か」を明示できることこそ、メーカーの信頼そのものになります。


・誰がこの商品を生み出したのか。

・誰がその価値を守るのか。

・その起点を示す仕組みが商標である。


この“起点の明示”がなければ、メーカーも販売者も同じ匿名の海に沈んでしまいます。

信用は語るものではなく整備によって証明されるものではないでしょうか。




まとめ|売るより先に、整える


商標は“安心して発信できる状態”をつくる基盤です。


現在、社会は「構造による信用」から「人格による信用」へ移行しています。

しかしその人格を保証する“仕組み”を持たなければ、誠実な販売者こそ制度の外側で消えてしまいます。


商標は派手ではないものの、最も確かな信用の設計図です。

商標を整えることは単に守るためではなく、「安心して発信できる状態をつくる」ための準備にほかなりません。


製品の価値を伝えるその一歩前に、真の価値を守るための仕組みを整える。


弊社では、中国市場を含む商標登録の整備・管理に関するご相談もお受けしています。商品を“安心して発信できる状態”を一緒に設計していければ幸いです。

$50

Product Title

Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button. Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button

$50

Product Title

Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button. Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button.

$50

Product Title

Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button. Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button.

Recommended Products For This Post
 
 
 

コメント


bottom of page