２８．ビジネス面から見た春節について

中国では1月29日(水)から旧正月「春節」を迎え、28日から長期休暇シーズンとなります。

1/28农历除夕(大晦日)～2/4(火)までの休暇です。

その分1/26(日)と2/8(土)は平日扱いとなっています。

◆春節期間中のビジネスの動き

1.物流・製造業の停止、休みの前倒しが一般的

・昔から春節（旧正月）は中国最大の連休で日本同様少し特別感があります。

「帰省ラッシュ」を避けるため、企業や工場は春節の1～2週間前からお休みモードに入る感覚が一般的です。

(春節前～春節の1、2週間、春節1週間、合計2、3週間程の長期休暇のイメージです)

・一般的な物流はストップするので、納品等は早めの対応が必要です。

　以前と違い大手配送業者は春節中も配送してくれます。コストは多めに必要です。

2.帰省による人口移動

・「春運（しゅんうん）」と呼ばれる大規模な帰省ラッシュが発生します。鉄道、航空、バス、タクシー乗り場は非常に活発になります。

チケット争奪戦が発生します。

◆ビジネスでの特徴と機会

1.贈答品文化

・春節は「贈り物の文化」が強調される時期で、高級食品（フカヒレ、干しアワビ、ナツメ等）やアルコール（白酒、赤ワイン、紹興酒等）、伝統工芸品などが人気でした。今はワイロが規制され大っぴらに持ってくることは無くなっているのではないでしょうか。

・とは言え企業間でも贈答文化の印象は残っていると思われますので、商展開としてこの時期に高級感のある商品を用意しておくのは良いのかもしれません。

2.年末ボーナス（年終奨）

・春節前には従業員に年末ボーナス(紅包)が支給されます。渡さないという選択肢はありません、ひどく揉める原因となりえるので必ず紅包は用意します。

・金額の多寡ではなく、気持ち・風習の側面が強いです。「ボーナス無しでも仕方ない」の空気感はまだありません。

3.観光需要

・国内旅行や海外旅行の需要が急増します。爆買いの流れは落ち着きましたが、日本も中国人観光客を多く迎えるタイミングで、観光地や小売業にとっては大きな商機です。

◆注意すべき点

1.休業期間の影響

・製造・納期の遅延：春節前後の1～2か月間は生産効率が低下し納期が遅れます。早めにスケジュールを組む、もしくは春節終わりまで待つことが重要です。

2.消費者心理の変化

・春節後は消費の落ち込みが見られる場合があります。この時期に過剰な在庫を抱えないよう注意が必要です。

3.文化的感受性

・春節にも伝統やタブーがあり、マーケティングとして好まれない可能性もあるので展開のタイミングも大切になってきます。

例）：「赤」は縁起の良い色として好まれるが、「白や黒」は葬儀を連想させるため避けるべき等

春節は一時的な停滞と消費のピークが混在するユニークな時期で、ビジネス面ではしっかりと準備をして挑む必要があります。

この時期に合わせたマーケティング戦略や商品開発が成功のカギかもしれません。