２９．中国市場でウケる商品の特徴を考えてみる

瞬間的にトレンドになったヒット商品も、じわりの人気が出る商品も

根底には共通点があるように思えます。

それは商品の性能面での優秀さが評価されているという点です。

中国市場では、消費者の購入スタイルやニーズに合った製品提供はもちろん、商品の背後にある魅力的なストーリーが重要な役割を果たします。

例えば、キクロン株式会社の商品は現在中国市場でじわじわと人気を獲得しています。

その理由の一つは、日常生活における利便性と品質の高さにあります。

食器洗い用スポンジやたわしなどの日用品は、中国の消費者にとっても必需品でありキクロンの製品は「高品質で使いやすい」と評判です。

中国市場においても、家事や身だしなみの手助けをしてくれる便利なアイテムは高い需要があります。「生活に身近な存在であること」がポイントです。

さらに、キクロンのバス用品であるボディタオルが新たな展開を見せています。入浴時にボディタオルを使う習慣がない地域への市場開拓が進んでおり、新しい消費習慣を生み出す可能性を秘めています。

このように、ウケる商品には「商品の背景にあるストーリー」があると考えられます。

キクロンは長年にわたり、より良い商品の製造と品質管理にこだわり続けてきました。そのため、消費者は安心して製品を購入できると信頼しています。中国市場においても品質への安心感は大きな魅力となり商品の価値を高める要因となっています。

Made in Japanであることが重要なのではありません。

品質への信頼と、管理を徹底して継続してきた企業理念、

丈夫で品質の良い商品とそれを支える企業の歴史が消費者への安心感となります。

ひと昔前の対中専用「名ばかり日本製商品」が定着しない理由でもあると思われます。

実際にキクロンの中国工場で作られている商品(made in china表記)と

日本製表記商品の人気に大きな差はありません。

つまり「産地」は個人のこだわりに過ぎないと考えられます。

以前の「安かろう、悪かろう」「高ければ良い」が当たり前だった中国市場では、品質評価が3～40点程度の商品でも選ばれました。

しかし、近年では「長く使える丈夫な商品」、つまり評価7～80点のコストパフォーマンスの良い商品が人気になりやすいという傾向が強まっています。

中国市場でも「最低限品質は良いこと」が「購入する上で最低限の条件」という「共通認識」に変わってきているように感じます。

加えて「歴史のある企業」というのも中国では好まれる傾向にあります。

歴史のある企業への信頼感は非常に大きく、長年にわたり培われてきた製品と企業の信念が、消費者に安心感を与えます。

性能や機能面を重視し大切に長い年月をかけて磨かれた商品と企業の歴史があるからこそ、

新しい市場へ進出した際にも日本同様長く力強く根付きやすい「ウケる商品」となるのかもしれません。