44.形を変える海外せどり せどりはなぜ海外で形を変えるのか──市場構造のレイヤーを読み解く
- taniguchishoji1220
- 10月3日
- 読了時間: 3分
更新日:10月17日
せどりの基本は「安く仕入れ、高く売る」という単純な差額モデルです。国内市場では、量販店のセールやECモールの在庫処分など“予測可能な小さな歪み”を拾うことで成立しています。
しかし、いざ海外に出るとこの仕組みは一気に不安定になります。理由はシンプルで、市場構造のレイヤーが国内と大きく異なるからです。

国内市場の特徴
日本では、メーカーから小売、消費者までの関係性が比較的シンプルで情報もクリアです。また「売ろうと思えば誰でも商品を取り扱える」という柔軟さも特徴です。
これは国内市場に「偽物がほとんど出回らない」という環境の恩恵を受けているからこそ成り立っています。そしてメーカーの販売計画の内側で行われる限り、多少のせどりは市場全体を揺るがすことは多くありません。メーカーが上流に、せどりが下流に位置するという分業が成立しており、結果的に日本市場ではそれが大きな安心材料となっています。

海外市場で起きること
一方、海外市場では前提が大きく変わります。中国市場を例に取り、商品を大きく2つのパターンに分けて考えると分かりやすいでしょう。
・パターン1:日本で販売されており知名度があり、中国で人気が出ている商品
・パターン2:日本で販売されており知名度に関わらず、中国ではまだ知られていない商品
◆特にリスクが高いのはパターン1です。
このパターンに当てはまっているかどうかの目安は「海外から直接問い合わせが来ているかどうか」です。
メーカーへ直接問い合わせがある時点で人気化している証拠なので、早めの対応が望まれます。起きるリスクは次の通りです。
・価格競争の波:販売ルートが複数立ち上がっている事が多く、値崩れが起こりやすい状態にある(もしくはすでに起こっている)。
・正規品と非正規品の境界が曖昧:並行輸入や転売(個人の横流し)に加え、類似品や模倣品が同じ検索結果や商品ページに並ぶ。そして安価な方に消費者が流れてしまう。
・流通管理のブラックボックス化:どこから商品が出ているのか把握できず、非正規販売業者が“正規店”のように見えてしまう。かつ商標登録がない場合メーカーが主導権を握れない可能性も出てきて、価格維持やブランド管理を行いにくくなる。
これらの要因が「海外せどりのリスク」と考えられる背景であり、構造上起こりやすい仕組みとなっています。
一昔前は「総代理権」によって一社が独占的に販売権を持つ仕組みがありました。しかし問屋が勝手に総代理を名乗るなどの混乱もあり、この制度は次第に形骸化していきます。現在ではこのような流通を妨げる規制は緩み、逆に非正規ルート経由の商品への規制はむしろ厳しくなっています。
◆パターン2のリスク。
一方で、海外でまだ知られていない商品も安心ではありません。最大のリスクは「気づいたらパターン1の状態になっている」ことです。
海外展開を行わない場合でも、日本国内の取引先と「海外販売を禁止する契約」を結んでおくことは一つの手です。ただし、契約での防御策だけでは不十分で、いずれは「どう見せたいか」というブランド設計そのものが問われることになります。

重要な視点
ここで強調したいのは、国内と同じ仕組みがそのまま海外で成立するわけではないという点です。差額を抜くモデル自体は変わらなくても、その差額が生まれることを良しとするか否か、誰がどのように流通させたいかという意思は国内とはまったく異なります。
そして何より重要なのは、一度価格が壊れ、類似品と混在してしまえば、市場での立て直しはほぼ不可能だということです。国内と同じ感覚で海外せどりを考えることが、取り返しのつかないリスクにつながる──この点を忘れてはなりません。

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