45.なぜ「正規ルート設計」が海外展開の起点になるのか
- taniguchishoji1220
- 10月16日
- 読了時間: 3分
更新日:10月17日
① 国内せどりから見える“限界点
前々回の記事<日本国内でのせどりについて考えてみる>で触れたように、国内せどりは「情報」と「スピード」を武器に、流通の隙間を埋めてきたビジネスです。メーカーにとっても、在庫を消化できるという点では短期的なメリットがあります。
しかし前回記事<形を変える海外せどりせどりはなぜ海外で形を変えるのか-市場構造のレイヤーを読み解く>で述べたとおり、その構造を海外市場に持ち込むと、一気にリスクが拡大します。理由はシンプルで「販売経路をメーカー自身がコントロールできなくなるから」です。
誰が、どの価格で、どんなプロモーションをしているのかが不明な状態は、
強いて言えば日本での販売も同じなわけで、一見すると問題ないように感じられるかもしれませんが、
直接的ではなくともブランドの信用を損なう可能性を含んでいます。
実際に、商品のネームバリューを利用し、他社が市場での認知を得るための「踏み台」とされる事例も存在した以上、
無視しても問題ないと言い切ることはできません。
こうした背景を踏まえると、海外展開の出発点は「売ること」ではなく、「どう管理するか」──つまり正規ルートの設計にあると私たちは考えます。

② 「正規ルート」とは何か
「正規ルート」という言葉は、契約書を交わした公式取引を指すように思われがちです。しかし本質は、ブランドの扱い方をメーカー自身が定義することにあります。
その定義は、次のような項目で構成されます。
・販売地域と価格帯のルール
・商標の登録と運用方針
・販売代理店・卸先との関係設計(販促方法・在庫ルール・表示方法など)
このように「どこに誰が何をどのように扱うか」までを設計することが、ブランドを「守る」だけでなく「育てる」ための前提になります。
③ 「盾」としての正規ルート
実務的な観点から言えば、メーカー自身に正規ルートを管理していただくことは、「模倣や並行輸入への“防御壁”」になります。
非正規品を排除できる最大の根拠は、「公式ルートが存在している」という事実そのものです。
さらに、販売チャネルを公式化することで、価格の統一性が保たれ、消費者にも“正規”が視覚的に伝わります。「どこで買っても同じ品質・同じ価格」という安心感が、結果的にブランド信頼を積み重ね、売上の持続性を支えます。

④ すべてを完璧に整える必要はない
中小メーカーにとって、初めからすべてを整備するのは現実的ではありません。大切なのは“最低限の設計”から始めることです。
その最低限とは、次の3つ。
1. 販売価格の設計
2. 商標の明確化(登録・管理体制)
3. 販売先ルールの整理(越境EC・現地卸・ライブ販売など)
この3点を順序立てて整えることで、小規模であっても「正規ルートの原型」を構築することができます。
⑤ まとめ──“売る前に、守る設計を
海外販売というと、多くの企業は「販路開拓」から入ります。しかし販売の前に整えるべきは「正規ルートの設計」です。
それは単なる防御策ではなく継続的にブランド価値を維持し、メーカー自身が主導権を握るための仕組みです。
これまでの投稿でも提示したように、流通経路が曖昧なまま拡大すると商品は「一瞬でバズり、一瞬で埋もれる」危うさを持ちます。
今回はその構造から脱するための“考え方の転換”をお伝えしました。

$50
Product Title
Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button. Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button

$50
Product Title
Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button. Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button.

$50
Product Title
Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button. Product Details goes here with the simple product description and more information can be seen by clicking the see more button.







コメント